温泉を「温かい湧き水」、鉱泉を「冷たいが、鉱物を多量に含む湧き水」と考えておられることと思います。環境庁が定めている「鉱泉分析法指針」は、鉱泉の定義を、【地中から湧出する泉水】であることに加えて、以下のどちらかの条件に当てはまるものとしています。
◆多量の固形物質やガス状物質、もしくは物質を含む。
◆泉温が、泉源の周囲の平均気温より、著しく高温である。
覚えのある定義だとは思いませんか?温泉法での温泉の定義と似ていますね。
違いは、言及でしょうか。
温泉の定義には、「水蒸気その他のガス」も含まれることになりますが、「鉱泉分析法指針」では、鉱泉は含まれていません。
このことが、鉱泉と温泉の区別に混乱を生じさせているように思います。
以前は、地表に湧出する温度によって、「鉱泉」を「温泉」と「冷泉」とに大きく分けていました。
温泉に対して冷たい冷泉は分かりやすい分け方といえます。
ですが、「冷泉」という言葉だけがあまり普及することなく、冷泉は鉱泉と呼ばれるようになっていきました。
鉱泉の定義には入っていないガスですが、温泉成分の含まれるガスを地下水に混入させたものは「造成温泉」となります。
温泉地として名高い箱根の大涌谷温泉や大分の別府温泉などは、この造成温泉が大半を占めています。
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